一年を通じて各地でお祭りが多数行われる日本。風物詩であるがゆえに、お祭りには日本の歴史やその地ならではの特徴が見られます。その中でも歴史の深い京都・奈良のお祭りをピックアップしました。
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京都八坂神社 祇園祭
7月から一ヶ月かけて行われる、日本三大祭の一つ。869年頃に広まった疫病を鎮めるために始まり、今では大きな神事・行事となりました。1日の「吉符入り」から始まり、前祭(さきまつり)と後祭(あとまつり)に分けられるなど、行事の内容は細分化されています。
その中でも注目を集めるのが前夜祭といわれる「宵山」。山鉾(やまぼこ)に吊るされた駒形提灯と共に祇園囃子(ぎおんはやし)が歩行者天国に流れ、日本の祭りの醍醐味を感じさせます。豪壮かつ華麗な祇園祭は海外でも関心をもたれているお祭りです。
京都 五山送り火・嵐山灯篭流し
有名なこの二つの行事は、昭和24年から戦没者の慰霊のための行事として同時に行われています。
お盆にご先祖のお精霊様(おしょらいさま)をお迎えし、お帰りの際は五山に送り火を焚くと共に灯篭に乗っていただき極楽浄土へお送りするというもの。起源は平安初期、室町中期、江戸初期と諸説ありますが明らかにはなっていません。
送り火は五つの山でそれぞれの字形が焚かれ、毎年沢山の人が訪れます。灯篭流しや花火大会と併せてご先祖様の供養をしながら、日本の伝統と季節を感じたいものです。
京都 亀岡平和祭保津川花火大会
昭和30年「世界連邦平和都市宣言」をした亀岡市がこれを記念して、平和を願う行事として行われているのがこの花火大会。前日には「亀岡大踊り大会」があり、伝統芸能である丹波音頭をはじめ亀岡音頭、湯の花小唄、光秀音頭など見ることができます。
正午に行われる平和記念式典による「平和の灯」を火種にした花火は5000発にも及ぶと言われ、そのダイナミックな特選玉も見どころです。
「永遠の平和と繁栄」を願う大輪の華を見上げてみてはいかがでしょうか。
奈良 吉野川祭り納涼花火大会
日本の花火の父、「鍵屋弥兵衛」が花火を作り始めた言われる吉野川。このほとりで開催される花火大会は、音楽に合わせてレーザー光線と花火が夜空を彩ることで有名です。燈籠流しも同時に行われ、川面にも淡い光が灯ります。
花火とレーザーが織りなす豪快な光と、燈籠のほのかな明かり。日本の新旧を交えた芸術的な美しさで、奈良の夏の夜が楽しめます。
奈良龍田大社 風鎮大祭
このお祭りは風邪しずめの祭りとされ、風水害・凶作・疫病などを鎮めるために675年から行われていた行事です。
夜9時頃から盛大な「風神花火」の奉納が行われ、手に持って点火される手筒花火は火柱が5mほど上がり最後は爆音とともに火が消えます。これは一般の方も参加することができ、終わった筒は飾っておけば無病息災のご利益があるそうです。
クライマックスは拝殿前に取り付けられた花火を点火し、火の粉の雨が降ったように見えるナイアガラの滝のような花火です。
「火のごちそうを奉納する」というこのお祭りで、火の美しさを体感すると共に火のありがたさも感じましょう。